実家のトイレが危ない?高齢者に優しいバリアフリーリフォームの重要性と、18万円もらえる介護保険の活用術
「最近、実家の両親がトイレでよろけていた」「和式トイレで立ち上がるのが辛そう……」
離れて暮らすご両親や、同居する高齢のご家族のそんな姿を見て、ヒヤッとしたことはありませんか? 実は、家の中で最も転倒事故が起きやすい場所のひとつがトイレです。狭い空間での立ち座りや、冬場の急激な温度変化(ヒートショック)は、高齢者にとって想像以上の負担となります。
「まだ動けているから大丈夫」と先延ばしにするのは禁物です。早めにバリアフリー化を検討することで、ご本人の自立を助けるだけでなく、将来の介護負担も劇的に軽減できます。
今回は、実家のトイレを安全に変えるための重要ポイントと、自己負担を抑えて最大18万円の支給が受けられる「介護保険」の賢い活用術について詳しく解説します。
1. 高齢者にとって「古いトイレ」が危険な3つの理由
なぜ、今のままのトイレではいけないのでしょうか。高齢者の身体能力の変化に合わせた環境整備が必要な理由を見てみましょう。
① 和式トイレによる足腰への過度な負担
和式トイレは「深くしゃがむ」「踏ん張って立ち上がる」という動作が必要です。筋力が低下した高齢者にとって、この動作は膝や腰への大きな負担となり、最悪の場合、立ち上がれなくなってしまうリスクもあります。
② わずかな段差と滑りやすい床
トイレの入り口にある1〜2cmの段差。元気な時には気になりませんが、足が上がりにくくなった高齢者にとっては、転倒を招く大きな障害物です。また、タイル張りの床は水に濡れると非常に滑りやすく、大怪我につながる恐れがあります。
③ ヒートショックのリスク
冬場のトイレは室温が急激に下がります。排泄時のいきみと温度差が重なると、血圧が乱高下し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす「ヒートショック」の危険が高まります。
2. 実家を安全にするバリアフリーリフォームのポイント
リフォームを検討する際は、以下の5つのポイントを押さえるだけで、安全性が格段にアップします。
和式から洋式への変更: 立ち座りが楽な高さの便座を選びましょう。
手すりの設置: 便座の横(L字型など)に手すりがあると、自分の力で立ち上がれるようになります。
段差の解消: 出入り口をフラットにし、必要であればドアを引き戸に変更すると、車椅子や歩行器でもスムーズに入室できます。
滑りにくい床材への貼り替え: 柔らかく滑りにくい「クッションフロア」への変更がおすすめです。
人感センサー照明の導入: 夜間の暗い中でのスイッチ操作をなくし、足元を明るく照らすことで転倒を防ぎます。
3. 最大18万円!「介護保険」の住宅改修費支給をフル活用
「リフォームにはお金がかかる……」と心配な方にぜひ知ってほしいのが、介護保険の制度です。
制度の仕組み
要介護・要支援の認定を受けている方が住む自宅を改修する場合、上限20万円までの工事費のうち、所得に応じて7割〜9割が支給されます。
つまり、20万円の工事をした場合、最大で18万円が戻ってくる仕組みです。
対象となる主な工事
便器の取り替え(和式から洋式、暖房便座への変更など)
手すりの取り付け
床段差の解消
滑り防止のための床材変更
開き戸から引き戸への変更
申請のステップ(※ここが重要!)
ケアマネジャーに相談: まずは担当のケアマネジャーに「トイレを直したい」と相談します。
事前申請: 工事を始める前に、市区町村へ申請書類を提出します。(※工事後の申請は認められません)
着工・支払い: 承認後に工事を行い、一度全額を業者に支払います。
事後申請・給付: 領収書などを提出すると、後から保険金が指定口座に振り込まれます。
4. 補助金をさらにお得に重ねるコツ
介護保険以外にも、併用できる制度がないかチェックしましょう。
住宅省エネキャンペーン: 節水型トイレへの交換に対して、国から補助金が出る場合があります。バリアフリー化と同時に「エコ」な設備を取り入れるのが賢い選択です。
自治体独自の助成金: 市区町村によっては、介護保険の20万円枠とは別に、独自の補助金を設けていることがあります。
アドバイス: これらの補助金は年度ごとに予算が決まっており、「早いもの勝ち」になることも多いです。また、補助金対応に慣れたリフォーム業者を選ぶことで、複雑な書類作成もスムーズに進めることができます。
5. まとめ:親の笑顔と安心のために
トイレのリフォームは、単なる設備の更新ではありません。ご両親が「自分の力でトイレに行ける」という自信を持ち続け、住み慣れた家で長く元気に暮らすための、愛のある贈り物です。
もし実家のトイレに不安を感じているなら、まずはご両親のケアマネジャーさんに相談するか、バリアフリーリフォームの実績が豊富な業者に現地調査を依頼してみてください。
「あの時やっておいてよかった」と思える日が、きっと来るはずです。